当社は、2017年3月に東証マザーズに上場いたしました。上場時に調達した資金を活用して会社を成長させたいという想いを持ちつつも、上場後2年間の売上高成長率は14.1%と成長しているものの、満足のいく成長スピードを出すことができておりませんでした。
より成長スピードを上げるべく、「短期的な利益追求ではなく、積極的に投資を実行し、さらなる成長と中長期的な企業価値の向上を図る」というコンセプトの下、2019年5月に5カ年中期経営計画を発表いたしました。
同計画発表直後に大きく株価は下落し、株主や投資家の皆様から厳しいお言葉をいただくこともございました。株主や投資家の皆様とのコミュニケーションの取り方について、当社の未熟さを痛感することもございました。
その一方で当時より、中期経営計画をご覧いただき、当社のチャレンジを応援してくださる株主の方々も少なからずいらっしゃいました。
2019年3月期実績として売上高22.4億円、EBITDA4.5億円であったのに対して、同中期経営計画では、計画最終年度である2024年3月期目標として、売上高48億円、EBITDA15億円を掲げました。
当時としては非常に高い目標設定でありましたが、同最終年度となる今期、通期業績予想として売上高60億円、EBITDA15億円という数値を開示し、目指せるところまで来ることができました。
同中期経営計画発表当時は、まだ人的資本投資という言葉が一般化しておりませんでしたが、先行投資として大胆に人材採用を行い、育成をしていくことで、事業の成長を図ってまいりました。当社の持つ価値観・組織開発の仕組みが人材開発へと有機的に繋がり、従業員がイキイキと働き、成長し、パフォーマンスを発揮した結果、正社員の増加を売上高成長につなげることができました。
同中期経営計画の結果が出るまではまだ時間がございますが、この目標を達成するべく引き続き邁進してまいります。
不確実性が高い昨今の環境下において、最近は株主や投資家の皆様より、中期経営計画後はどうするのか、ということについてご質問をいただくことが増えてまいりました。そういったご質問に早くお答えしたいという考えの下、現中期経営計画を遂行中であるこのタイミングにおいて、2025年3月期以降の方針について開示することといたしました。
この度、当社は中期経営計画後の方針として、「ULURU Sustainable Growth」を掲げました。「ULURU Sustainable Growth」とは、人的資本投資を中心とした規律ある成長投資やM&Aなどによって、売上高だけではなく持続的な利益の成長を目指すものでございます。将来的な上場市場区分の変更も目指し、少しでも早く、売上高が500億円、そして1,000億円を超えるような規模感の企業になっていきたいと考えております。
「ULURU Sustainable Growth」の下、2025年3月期はEBITDA10億円を下限として成長投資を行います。これはあくまで下限値であり、今期である2024年3月期の売上高成長や、同2025年3月期に実施する成長投資の成果により、同EBITDA下限値10億円を上回るような結果も目指してまいります。
そして、同2025年3月期の成長投資をベースに、2026年3月期以降は売上高、EBITDAともに年平均20%以上の成長を目指し、投資と利益成長の両立を図ってまいります。
これまで当社を応援いただいた株主の皆様には感謝の念に堪えません。これをお示しするべく、中期経営計画最終年度となる2024年3月期決算に基づいて、特別配当として配当性向30%程度となるよう株主還元を実施したく存じます。また、2025年3月期決算以降は、TSR(株主総利回り)の向上に向けて、中長期のEPS成長を重視しつつ、その上で普通配当として配当性向15%以上を目安に、継続的に株主還元を実施していくことで、以後毎期増配となることを目指してまいりたいと考えております。
「ULURU Sustainable Growth」の下、成長と株主還元の両立を目指し、経営してまいります。株主や投資家の皆様に引き続き応援いただけましたら幸いでございます。
2023年11月
株式会社うるる
代表取締役社長
星 知也