2024.9.26 プレスリリース

SaaS普及が進む一方、生産性向上や業務効率化を非常に実感できている人は4割未満 また、実感できていない理由は「業務にかかる工数が減っていない」 「機能を使いこなせていない」が上位と導入後の運用やサポート面での課題が明らかに ~SaaSを利用した業務の実態について、うるるBPOが調査~

労働力不足問題解決のリーディングカンパニーとして、複数のSaaSを展開する株式会社うるる(東京都中央区 代表取締役社長:星 知也)の100%子会社である株式会社うるるBPO(東京都中央区 代表取締役社長:桶山雄平、以下「うるるBPO」)は、DXを推進している企業の係長以上の役職者600人を対象に、「SaaSを利用した業務の実態調査」を実施いたしました。

 

<調査背景>
近年、日本国内の企業は急速に変化する市場環境に対応するため、DXの推進を加速させています。その一環として、多くの企業がSaaSを導入し、業務効率化や生産性向上を図っています。しかし、SaaS導入によって期待通りの効果が得られないという声も少なくありません。こうした状況を踏まえ、SaaS導入における課題の実態を明らかにすることを目的に調査を実施いたしました。本調査の結果から、SaaSの導入状況やその効果、導入後に直面する具体的な課題を把握し、今後のDX推進に向けた指針を提供します。

<調査サマリー>

・約7割のユーザーがSaaSを導入している一方で、「業務効率化」や「生産性向上」の効果を実感できている割合は3%と4割未満にとどまる【結果1】【結果2】

・SaaS利用による業務効率化や生産性の向上を実感できていない理由は、「業務にかかる工数が減っていないため」(1%)が最も高い【結果3】

・さらに、SaaSの解約経験があるユーザーは全体の3割にのぼり、解約に至った理由は、「機能が複雑(多機能)で十分に使いこなせなかった」(2%)や、「課題や業務プロセスに見合った選定ができず、運用が上手くいかなかった」(51.1%)が上位に挙がった【結果4】【結果5】

・SaaSを活用するための、データを登録するなどの作業を手間だと感じているユーザーは全体の約8割【結果6】

・SaaS事業者に求めるサポートは、「自社への適切な業務設計アドバイス」(0%)が最も高く、次いで「運用マニュアルの充実」(41.3%)、「アップデート対応など機能面でのユーザーサポートの充実」(39.5%)が続いた【結果7】

 

<調査結果>
【結果 1】チーム(もしくは部署)で、業務にSaaSを利用しているか聞いたところ、7割近いユーザーが「SaaSを利用している」(68.7%)と回答しており、DXを推進している企業においてSaaSの普及が進んでいることがわかります。

 

 

【結果 2】業務にSaaSを利用している方に、SaaSを利用することで業務効率化や生産性の向上を実感しているか聞いたところ、「非常に実感している」と答えた人は全体の38.3%にとどまりました。また、「多少実感している」と回答した人が50.0%と最多であり、SaaSの効果が十分に発揮されていない可能性が示唆されています。SaaSの利用によって業務効率化や生産性向上を「実感できていない」という回答も少数ながら見られます。

 

 

 

【結果 3】SaaSを利用しても、業務効率化や生産性の向上を実感できていないと答えた人にその理由について聞いたところ、最も多く挙げられた理由は「業務にかかる工数が減っていないため」(52.1%)で、次いで多かったのは「機能が複雑(多機能)で十分に使いこなせていないため」(47.9%)でした。この結果から、SaaSの活用において、導入後の運用(工数)やサポートの面で課題を抱えていることがわかります。

 

 

 

【結果 4】導入したSaaSが運用に乗らずに、解約した経験はあるか聞いたところ、SaaSを導入したユーザーのうち、30%が「運用に乗らずに解約した経験がある」と回答しており、決して少なくない結果となりました。SaaS事業者は、導入後のサポート強化や、運用を定着させるための取り組みが重要であるといえそうです。

 

 

 

【結果 5】SaaSを解約したことがある人に、運用に乗らなかった理由を聞いたところ、「機能が複雑(多機能)で十分に使いこなせなかった」(62.2%)が最も多く、次いで多かったのが「課題や業務プロセスに見合った選定ができず、運用が上手くいかなかった」(51.1%)です。

また、「システムからのデータ移行や既存のシステムとの統合がうまくいかなかった」(43.3%)や、「業務にかかる工数が減らなかった」(43.3%)といった技術的な課題も大きな要因となっています。さらに、「ユーザーサポートが不十分で、問題解決が遅れ業務に支障が出ていた」(26.7%)という結果からは、導入後のサポートの重要性が強調されます。SaaSが単に導入されるだけではなく、適切なサポートや運用支援がなければ、期待通りに機能しない可能性が高いことが示唆されています。

 

 

 

【結果 6】業務にSaaSを利用している方に、SaaSを活用するための、データを登録するなどの作業を手間だと感じるか聞いたところ、半数を超える人が「多少感じている」(53.4%)と回答し、次いで、27.7%の人が「非常に感じている」と答え、多くのユーザーがこの作業を負担に感じていることがわかります。一方で、「全く感じていない」(2.4%)や「あまり感じていない」(16.5%)と答えたユーザーも存在しますが、2割未満と少数に留まっています。SaaSの利便性を高めるためには、データ登録などの作業をいかに簡略化するかが、利用促進の鍵となりそうです。 

 

 

 

【結果 7】SaaS事業者に求めるサポートは何か聞いたところ、最も多くの回答を占めたのは「自社への適切な業務設計アドバイス」(49.0%)でした。この結果から、SaaSを導入するユーザーは単なるツールの提供だけでなく、企業の業務プロセスに適合した活用方法のアドバイスを求めていることがわかります。
次いで、「運用マニュアルの充実」(41.3%)や「アップデート対応など機能面でのユーザーサポートの充実」(39.5%)が高い結果となり、導入後の運用をスムーズに進めるためのサポートが不十分であると、システムの利用に困難を感じやすいことが示唆されています。また、「ノンコア業務の切り出し」(31.7%)や「紙文書のスキャン作業や、入力作業」(31.0%)も一定数いることから、実務的なサポートも求められています。SaaSを導入したユーザーがコア業務に集中できる環境を整えるために、ノンコア業務を効率的に処理するサービスが望まれていることを示しています。

 

 

【結果 8】SaaSの利用によって、業務効率化や生産性の向上を実感していると答えた人にその理由を聞いたところ、「リアルタイムでの共同作業が可能で、コミュニケーションがスムーズになったため」(62.9%)、「リモートワークや出張先でもスムーズに業務ができるため」(62.4%)が最も高い結果となりました。また、「定型業務の自動化など、ワークフローが最適化されているため」(54.7%)、「データの一元管理ができているため」(52.2%)も半数以上の割合を占めており、SaaSの効率性と統合性が評価されていることを示しています。

 

 

 

結果 9】SaaSを利用している中で、課題やビジネスプロセスに見合った選定ができていると感じるか聞いたところ、「非常に感じている」と回答した人は、31.8%と、全体の約3割に留まりました。また「多少感じている」(53.6%)と回答した人が最多で、約5割という結果でした。さらに、「全く感じていない」(1.9%)、「あまり感じていない」(12.6%)と回答した人も14.5%おり、SaaSの選定や導入プロセスにおいて、さらなる最適化の余地があるといえます。

 

 

 

【結果 10】利用しているSaaSの機能は、十分に使いこなせていると思うか聞いたところ、「十分に使いこなせている」と回答した人は、全体の3割未満でした。「多少は使いこなせている」と答えた人が最も多く、56.6%を占めています。全体的にある程度は活用ができていると感じていることがわかりますが、「使いこなせていない」と感じる人も18.7%と存在しています。この結果から、SaaSの機能を十分に活用できていないという課題に対して、説明やサポートが不足している可能性が考えられます。

 

 

 

【結果 11】業務にSaaSを利用している方に、SaaSを利用することで、業務の工数は減ったと感じるか聞いたところ、「非常に感じている」と答えた人は28.9%でした。「多少感じている」が半数を超え(54.4%)最も多く、この結果から、SaaS導入によって工数削減を一定感じているものの、SaaSのメリットを最大限に享受できていないことが見受けられます。「全く感じていない」(2.7%)や「あまり感じていない」(14.1%)と答えたユーザーも約17%存在しています。

 

 

 

【結果 12】既存システムからのデータ移行や既存システムとの統合は問題なく行えているか聞いたところ、「一部問題はあるものの、業務上支障はない」と回答した人が56.6%と最も多く、次いで、31.1%の人が「問題なく行えている」と回答しました。大多数のユーザーは比較的順調に対応しているものの、依然として課題が存在することがわかります。特に「一部問題はあるものの、業務上支障はない」(56.6%)と回答した約6割のユーザーは現在業務に影響がないものの、潜在的なリスクを抱えている可能性があります。また、10.2%のユーザーが「統合に苦労しており、業務に支障が出ている」と回答していることから、深刻な問題が発生しているケースも無視できません。

 

 

 

【結果 13】業務にSaaSを利用している方に、導入後もユーザーサポートは十分にされていると思うか聞いたところ、全体の84.3%が何らかの形でサポートが行き届いていると感じていることがわかります。しかし、そのうち「十分にされている」(29.4%)と感じているのは約3割に留まり、過半数が「多少はされている」(54.9%)と回答しています。多くのユーザーがサポートを受けていると感じているものの、その質や量に対する満足度には課題が残っているということが言えそうです。

 

 

 

【結果 14】SaaSを解約したことがある人に、解約したSaaSの種類を聞いたところ、「経理・財務管理」(41.1%)が最も高く、次いで「顧客管理」(38.9%)と「マーケティング」(38.3%)が続きました。

 

 

<考察>
株式会社うるるBPO 代表取締役社長 桶山 雄平

本調査の結果から、DX推進の一環として業務にSaaSを利用する企業は7割近くに達する一方で、「業務の効率化・生産性の向上を非常に実感している」と回答した人は、わずか38.3%であり、4割に満たないことがわかりました。また、SaaSを利用しても業務効率化や生産性の向上を実感できていない理由として、「業務にかかる工数が減っていないため(52.1%)」や「機能が複雑(多機能)で十分に使いこなせていないため(47.9%)」が上位に挙げられました。これは、企業がSaaSを導入しても、実際の運用や業務フローにおいてその機能を十分に活用しきれていない状況を示しています。多機能であるがゆえに、操作や設定が複雑なケースや、自社の業務プロセスに完全に適合していないケースが多く、SaaSが持つ本来の効果を引き出せていないことが浮き彫りとなっています。

そして、SaaS事業者に求めるサポートとして、「自社への適切な業務設計アドバイス」(49.0%)が最も高いことから、ユーザーは単なるSaaS提供にとどまらない、包括的で実践的なサポートをSaaS事業者へ求めていることが示唆されています。このニーズに対応することが、顧客満足度の向上と解約率低下につながると考えられます。

本調査の結果から、SaaSを利用するだけでは、業務効率化や生産性向上を実感しにくいため、適切なサポートを提供することでSaaSの効果を最大限に引き出し、業務効率化や生産性向上に寄与できることがわかります。

 

うるるBPOは、BPOの経験や知見と、クラウドワーカーを組み合わせたBPaaSの提供に強みを持っており、他社SaaSへのサポートを通じて、サービスの価値を最大化し、エンドクライアントの満足度向上に貢献することが可能です。

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うるるBPOは今後も、日本企業や自治体のDX推進を支援するため、BPO事業に加え、SaaS事業者へのコンサルティングや実行支援を含む、包括的なBPaaSを提供することで、お客様のビジネスの効率化・合理化を支援してまいります。

 

<調査概要>
調査名:SaaSを利用した業務の実態調査
調査対象:DX推進している企業の係長以上の役職者
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年8月20日~8月22日
サンプル数:600名

うるるBPOは創業以来、31,573件の取引案件と5,684社の企業との取引実績を持ち、「短納期」「高品質」「持続可能な支援」の3つのメリットを提供しています。アウトソーシングを通じて、お客様の目的達成・合理化・効率化を支援いたします。

▶BPO業務をお求めの方 https://www.uluru-bpo.jp/features

▶SaaS事業者の方 https://www.uluru-bpo.jp/saas-business

 

【株式会社うるるBPO】https://www.uluru-bpo.jp/
設立:2014年10月(株式会社うるるより子会社化)
所在地:
・東京本社 東京都中央区晴海3丁目12-1 KDX晴海ビル6F/9F
・徳島第1センター 徳島県小松島市大林町宮ノ本100-1
・徳島第2センター 徳島県小松島市大林町森ノ本23-10
・徳島第3センター 徳島県小松島市大林町宮ノ本98-1
・大分センター 大分県大分市荷揚町3-1 いちご・みらい信金ビル8F

代表者名:桶山 雄平
事業内容:
総合型アウトソーシング
BPaaS支援
・高精度のAI-OCRサービス「eas(イース)
・障害者雇用トータル支援サービス「eas next(イース ネクスト)

 

【うるるグループ 概要】株式会社うるるhttps://www.uluru.biz/
設立:2001年8月31日
所在地:東京都中央区晴海3丁目12-1 KDX晴海ビル9F
代表者名:星 知也
事業内容:
◆CGS(Crowd Generated Service)事業 ※CGSとは、クラウドワーカーを活用したうるる独自のビジネスモデル
・電話代行サービス「fondesk(フォンデスク)
・入札情報速報サービス「NJSS(エヌジェス)」「nSearch(エヌ・サーチ)※1」
・幼稚園・保育園向け写真販売システム「えんフォト
・出張撮影サービス「OurPhoto(アワーフォト)※2」

◆クラウドソーシング事業
・プラットフォーム「シュフティ」の運営

◆BPO事業 ※3
・総合型アウトソーシング「うるるBPO
・高精度のAI-OCRサービス「eas(イース)
・障害者雇用トータル支援サービス「eas next(イース ネクスト)

※1 株式会社ブレインフィードにて運営
※2 OurPhoto株式会社にて運営
※3 株式会社うるるBPOにて運営

 

■サービスに関するお問い合わせ先
株式会社うるる 担当:平山
E-Mail:bpo@uluru.jp

■報道関係者のお問い合せ先
株式会社うるる ブランド戦略部 広報:高橋、古里
TEL:070-9073-6144 E-Mail : pr@uluru.jp